「ゼロクリック検索対策」完全ガイド——AI検索時代に“見られて選ばれる”導線づくり

「ゼロクリック検索対策」完全ガイド——AI検索時代に“見られて選ばれる”導線づくり
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検索結果の画面内で疑問が解決して外部サイトに移動しない「ゼロクリック検索」が増えています。クリック率(※CTR)だけで判断せず、検索結果画面(※SERP=Search Engine Results Page)での見え方や、要約から“次に進む理由”を用意することが重要です。 本稿は「ゼロクリック検索対策」を、トピック設計、検索結果画面の最適化、ローカル対応、計測の順に、初心者でも実務に落とし込みやすい手順で紹介します。

ゼロクリック検索対策の基本(現状と考え方)

ゼロクリック検索とは何かと「ゼロクリック検索対策」の前提

ゼロクリック検索は、検索結果画面(※SERP)上の情報だけで疑問が解決し、どのサイトにもクリックしない状態を指します。外部サイトへのクリックが少ないクエリは確実に存在し、クリックの奪い合いだけに注力すると判断を誤ります。

露出(表示回数)や将来の想起(のちの指名検索)も成果と捉え、ページ単体だけでなくサイト全体の価値を積み上げます。まずは“ゼロクリックを前提に設計する”発想に切り替えます。

AI Overviews(※検索の要約表示)とゼロクリック検索対策の関係

AI Overviewsは、複雑な質問に“要約+参考リンク”を提示する仕組みです。ここで選ばれるには、明快な見出し構造、比較表やチェックリストなど“深掘りする理由”の近接配置、出典の明確さが有効です。

ゼロクリックを避けようとするよりも、要約に触れた人が次に進む先として選ばれる配置を目指します。料金・手順・注意点・比較のまとまった原典ページを、ページ前半に置くと効果が出やすくなります。

ゼロクリック検索対策で見るKPI(※CTR以外も)

クリック率(※CTR)だけで良し悪しを決めると、検索結果画面の構成変化に振り回されます。Search Consoleでは表示回数・クリック・掲載順位をセットで追い、ブランド名を含む指名検索の増加や直アクセスもKPIに含めます。

検索結果上部にAI Overviewsや「People also ask」が出やすい領域ほど、サイト名やファビコンなど“見た目の一貫性”が将来の指名検索に効いてきます。

出典:SparkToro「2024 Zero-Click Search Study」
出典:Search Engine Land「Nearly 60% of Google searches end without a click in 2024」
出典:Google Search Central「AI features and your website」
出典:Google ヘルプ「AI Overviews とは」
出典:Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート」

ゼロクリック検索対策|トピック設計とコンテンツ戦略

ゼロクリックになりやすいクエリを避ける・狙い直す

天気・為替・定義・住所など“ひと言で済む”クエリはゼロクリックになりやすい領域です。ここでは競わず、「比較」「選び方」「料金」「失敗例」「導入ステップ」など、ページに来る理由が生まれる角度に設計を振ります。検索量の大きい一般語よりも、「用途×条件×制約(例:小規模向け 在庫連動 EC 決済 2025)」の複合ロングテールを狙います。営業やサポートに寄せられる具体的な質問は、クリックの必然性を生む良いネタになります。

クリックを生む答え方(Answer→Hook→Next)の型

要点は先に提示(Answer)し、すぐ比較表やチェックリスト、価格レンジなど“次に進む理由”(Hook)を近くに置き、その下に詳解(Next)を続けます。

検索結果やAI Overviewsで要点に触れた人が、視線の流れで「詳しく読む価値」を判断できます。内部リンクは“次に読むべき1本”へ絞り、離脱を減らします。見出しには検索語を自然に含め、スクロール前に深掘り価値が見えるよう表や図を使います。

ゼロクリック検索対策としてのE-E-A-Tと一次情報

E-E-A-T(※経験・専門性・権威性・信頼性)は、要約表示や抜粋でも“引用に足るページか”に影響します。自社の体験・検証・数値・手順など一次情報を盛り込み、根拠を本文の近くに置く書き方を徹底します。

外部情報を使う場合は、信頼できる出所に絞り、出典を明示します。初心者向けでは、専門用語に注釈(※)を添え、難しい語が続かないように段落を短く区切ります。

出典:Google 検索セントラル「Helpful, people-first コンテンツ」
出典:Google 検索セントラル「SEO スターターガイド」

ゼロクリック検索対策|検索結果画面(※SERP)最適化

フィーチャードスニペットとmax-snippet / data-nosnippetの使い分け

抜粋されやすい段落・箇条書き・表は露出に効きますが、抜粋だけで満足されるとクリックが減ることがあります。狙いに応じて、max-snippetでスニペット長を制御し、本文で読ませたい要点にはdata-nosnippetを使い、抜粋の“出しすぎ”を抑えます。

一方で認知重視のページは、抜粋されやすい構造を積極的に設計します。ページごとに“抜粋を許容するか”の方針を決めると運用が安定します。

サイト名・ファビコン最適化で想起を高める

検索結果に出るサイト名は自動生成ですが、WebSite構造化データやalternateNameで希望を伝えられます。ファビコンもガイドに沿って設定すると、同じ順位でも“見た目で思い出してもらう”確率が上がります。

ゼロクリックでも表示回数が積み上がれば、のちの指名検索につながるため、小さな改善を継続します。(※サイト名=検索結果の見出し横に出るサイトの名称、ファビコン=小さなサイトアイコン)

使えるリッチリザルトと使えないもの(FAQ/HowToの現状)

FAQ/HowToのリッチ結果は表示縮小・廃止が進みました。今はProduct、Breadcrumb、Video、Articleなど“残っている要素”の整備を優先します。FAQを本文に残すかは「検索結果に出なくても読者理解が早まるか」で判断します。構造化データは“表示確約”ではないため、狙う要素を絞り、メンテナンス負荷を抑えます

出典:Google Search Central「Featured snippets」
出典:Google Search Central「Robots メタタグ/data-nosnippet」
出典:Google Search Central「スニペットの作成と制御」
出典:Google Search Central「Site names」
出典:Google Search Central「Favicon」
出典:Google 検索セントラル ブログ「HowTo/FAQ の変更」
出典:Visual Elements Gallery(検索結果の要素一覧)

ゼロクリック検索対策|ローカル・地図・ナレッジ系

Googleビジネスプロフィール整備と「ゼロクリック」の価値

ローカル検索は、サイト遷移がなくても“電話・経路・予約”が成立すれば成果です。Googleビジネスプロフィールで、営業時間、属性、商品・サービス、写真、口コミ返信を継続更新し、検索面で“その場で選ばれる状態”を作ります。

予約や見積りの入口が面内にあれば、ゼロクリックでも売上に直結します。季節対応や臨時休業の更新など、現場の情報がそのまま来店判断の決め手になります。

電話・来店の計測(※UTM・コール計測・予約導線)

プロフィールの「ウェブサイト」や「予約」リンクにUTM(※流入元を識別するURLパラメータ)を付け、GA4で面内→サイト遷移の効果を把握します。広告を使う場合はコールコンバージョン計測も参考にします。

予約・問い合わせ導線は“電話”“フォーム”“予約システム”の3経路を並走させ、オフライン成果も拾えるようにします。ゼロクリック比率が高い業種ほど、UTMとイベント設計の有無で可視化の差が出ます。

地図・ナレッジでの情報一貫性(※NAP・カテゴリ)

名称(Name)・住所(Address)・電話(Phone)の一貫性(※NAP)は基本です。自社サイト、Googleビジネスプロフィール、主要ディレクトリで表記揺れをなくします。

カテゴリは“主要1+補助”を明確にし、提供サービスとずれないようにします。投稿・オファー・イベント機能で現場の最新情報を検索面に反映させる運用が、ゼロクリックでも安心して選ばれる状態につながります。

出典:BrightLocal「Google ビジネスプロフィールでのUTM設定」
出典:Google アナリティクス ヘルプ「UTM パラメータ」
出典:Google Maps URLs「UTMの活用」
出典:Google 広告ヘルプ「電話コンバージョンの概要」

ゼロクリック検索対策|計測・ダッシュボード

Search Consoleで“表示回数”主導の可視化

ゼロクリック環境では、表示回数(インプレッション)の増加が露出拡大の第一指標です。

Search Consoleのパフォーマンスレポートで、クエリ別に“表示→クリック→CTR→順位”を追い、クリックが伸びなくても“見られ方が改善しているか”を確認します。必要に応じてエクスポートやAPI、BigQueryの自動エクスポートを使い、月次でダッシュボード化します。

CTRの上下と掲載要素の変化を突き合わせる(AI Overviewsの影響)

同じ順位でも、AI Overviewsや「People also ask」などの要素が上部に増えると、ファーストビューが圧迫されCTRは下がりやすくなります。

期間比較では、CTRの変化を“掲載要素の変化”とセットで読み解き、見出しの改善、先頭への要約・比較配置、構造化データの見直しなど、ページ側の打ち手に反映します。要約からの“深掘り先”として選ばれる配置に寄せるほど、影響を緩和できます。

指名検索と直アクセスの成長をKPI化

ゼロクリック検索対策は、短期のクリック獲得だけでなく、中長期の“指名で探される状態”づくりです。Search Consoleではブランド名を含むクエリ群を定点観測し、GA4ではダイレクト流入やオーガニック再訪の比率を見ます。

検索結果の見た目(サイト名・ファビコン・スニペットの一貫性)が安定すると、オフラインの想起から再検索が増えます。KPIは“記事単体のクリック”に限定せず、“サイト全体の指名成長”を含めます。

出典:Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート」
出典:Google 検索セントラル ブログ「Search Console データの深掘り」
出典:Google Search Central「Bulk data export to BigQuery」
出典:Google Search Central「AI features and your website」
出典:Google Search Central「Site names」
出典:Google Search Central「Favicon」

まとめ(ゼロクリック検索対策の要点)

ゼロクリックは“避ける対象”ではなく“前提”です。クリックを狙うページは、Answer→Hook→Nextで“次に進む理由”を視界に入れ、認知重視のページは抜粋されやすい構造と“見た目回収(サイト名・ファビコン)”を整えます。

ローカルはゼロクリックでも成果になるため、Googleビジネスプロフィールの整備とUTMで可視化します。評価はクリックだけでなく、表示回数・指名検索・直アクセスの成長も含め、ダッシュボードで継続的に判断します。

カテゴリー:マーケティング・広告

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